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Demand形成の構造に関するNecessity/Usefulness-Wants-Demand図式
--- Productに関するTechnology-Function-Performance論、および、Cost-Benefit論からの考察 ----

Last update: May 9, 2014

ニーズという単語の多義性 --- ニーズを構成する4つの要素

図1 「ニーズ」の多義性に関する2つの理論的図式
一般的な「ニーズ」概念 ニーズの多義性に関する
「コトラー」的理解
ニーズの多義性に関する
「経営技術論」的理解
ニーズ necessity/usefulness
という客観的存在
needs
(ニーズ)
necessity/usefulness
に関する認識
wants
(欲求)
wants
(欲求)
demand
(需要)
demand
(需要)


ニーズの多義性に関する「コトラー」的理解
 一般的用法における「ニーズ」概念の多義性に関するコトラー的理解では、日常的用語における「ニーズ」概念は、needs、wants、demandという三つの要素に分けて考えるべきとされている。
コトラーはdemandに関わる要素連関の最上流に位置する要素をneedsと呼んでいるが、needsは「マーケターによってつくりだされるものではない」としてマーケターからの独立性を主張する一方で、顧客が「欠乏を感じている状態」としてneedsを位置づけている。すなわちneedsは、顧客における欠乏の認識として基本的には主観的なものとして位置づけられている。

ニーズの多義性に関する「経営技術論」的理解
 しかしinnovationの歴史的構造の分析のためには、demand形成に関わる要素連関をコトラーのように三つの要素で考えるのではなく、コトラーにおけるneedsという主観的要素を規定している客観的要素の存在を仮定し、4要素の要素連関としてdemand形成を捉える必要がある。すなわち要素連関の最上流に位置する要素は、主体が「感じている」ことや「認識している」ことを規定している要因、すなわち、主体の認識の対象としての客観的なものものであると考えている。(もちろん人間存在や社会などの「主体」が持つ客観的要因であるという意味では、主体的なものではあるが、主観的なものではなく、客観的なものである。)
そのため経営技術論的図式においては、最上流に位置する要素を、主体の認識や感情とは相対的に区別された客観的存在としての「necessity(必要性)」または「usefulness(有用性)」と呼ぶとともに、主体の認識や感情の領域に属する「necessity(必要性)に関する主観的認識」とは区別する。すなわち、コトラー的図式における「欠乏を感じている状態」としてのneeds(ニーズ)を、「necessity(必要性)やusefulness(有用性)に関する主観的認識」として再解釈し二番目の要素として位置づけることにする。

Product InnovationとProcess Innovation
--- ProductのFunctionやPerformanceに主として関わるInnovationと、ProductのQualityやCostに主として関わるInnovation


関連参考資料
資料1>コトラーのneeds論
[出典]Kotler,Philip ; Armstrong, Gary(2001,和田充夫監訳2003)『マーケティング原理 第9版 −− 基礎理論から実践戦略まで』ダイヤモンド社,pp.9-14の一部抜粋


資料2>経営技術論的図式におけるneeds論

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